スピーカーの常識を変える。マーティー101・ジュピティ301、タイムドメイン理論に基づいた革新サウンド。何百万円のアンプやカートリッジでも、「ダメなのものはダメ」
――タイムドメイン理論を開発するに至ったキッカケは?
オーディオメーカーにいた頃、従来の理論を使って開発をしていましたが、なかなか良い音にならなくて、その試行錯誤の繰り返しのなかで何かがおかしいと気づきました。「従来の理論が間違いじゃないか」と。そこからタイムドメイン理論がスタートしました。 オーディオマニアやメーカーサイドは、アンプやスピーカーの組み合わせ次第でいい音が出ると思っています。例えば、お金があって高いアンプを買えば良い音になると思っています。メーカーにいた頃は何百万円のアンプやカートリッジを買ってくれますので何種類も試すことができたのですが、やはり「ダメなのものはダメである」とすぐに理解できてしまいました。オーディオマニアの方でも一生かかってもわからないことが、わかってしまったのです では、どうしたら良いのかを考えるのですが、そこでタイムドメイン理論に基づいた「GS-1」というスピーカーを創ることになるのです。GS-1は200万円で販売しました。もちろん評判は良かったんです。しかし、万人向けのものではない。それで皆が買えて皆が使える、本当に良い音で聴けるものを20年近く考えていました。 試行錯誤の末、諦めた時にひらめいたもの。それが〈創造〉ということ
――タイムドメイン理論の発想の根源は?
それは今の企業や大学の仕組みではクリエイトできないんです。というのも、改善・改良までしかできないのです。〈創造の原則〉というものがあり、とことんやり尽くす、それでダメなら別の方法を試してみる。そして何度もこの繰り返しをして、最後にギブアップした時にパッと思いつくのです。そのパッと思いついたものは、それまでのものとはまったく違うものになるのです。それが〈創造〉なんですね。そのようなことは世界でも日本の企業でもできません。企業でも大学の先生でもできるかどうかわからないことは、やらせてくれませんよね。また、できることしか、やらないです。そのような環境ではクリエイトというものは生まれないのです。 クリエイトについていろんな方々が本を書かれたりしていますが、最後には〈禅の世界〉だと言ってます。発明というのは寝食を忘れて没頭し、諦めた時にパッとひらめく。ある本に書かれているのは、「あらゆることをやってみたがダメだと諦めた時に思い付きひらめく」、「このひらめきには鋭い喜びがある」、「今までの疑問が一気に解け繋がってゆく」、「押し入れを開けると、そこに重要なものすべてが揃っている」と表現されています。そういった過程がないとクリエイトできないと思うんです。 私もいろいろと試行錯誤し、諦めた時にひらめいたんですよ。改善・改良だけでは、あのような筒型(=スピーカー「Yoshii9」)にはなりませんよね。それがクリエイトですよね。ある意味で突然変異に近いんです。進化がそうですよね。全然違うものが生まれるわけですよ。私は猿が人間になったとは思いませんが(笑)。 すべての人が欲しがる商品というのは〈タイムドメインスピーカー〉しかない
――世界中で販売されているタイムドメインスピーカーですが、一番反響のある国はどこでしょうか?
どこの国でも良い反響をいただいてます。古今東西、歴史をさかのぼって人種・性別・年齢・国籍など関係なく、すべての人が欲しがる商品というのは〈タイムドメインスピーカー〉しかないと言ってもらっています。自然なものや癒されるものというのは、みんな本能的に知ってるんです。 企業見学で中学校の生徒さんが来社した時に感想文を書いてもらいました、「自然で良い音」だとか「感激した」とか、嬉しいことをいっぱい書いてもらいました。中学生でもわかるんですよ。人間だけじゃないですよ、猫や犬だってそうです。赤ん坊に到ってはそれは顕著ですね、不自然なものは本能で警戒しますから。自然であれば安心しますよね。そういう商品は他にないでしょ。食べ物にしても、ファッションにしても、車にしても。(タイムドメインスピーカーは)みんなが欲しがるんです。 © 2006 - 2024 BauXar_Lab. All rights reserved.
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